「まぁ、いっか」


真面目な人ほど、うつ病になりやすいということをご存じでしょうか?

真面目で完璧主義。
こんな人が身近にいる、または自分自身がそうであると感じる人は、うつ病にならないようにするために、意識して次の言葉を口癖にできるように心掛けるといいと思います。

「まぁ、いっか」

何だ、それだけのことか、と思う方が多いと思いますが、うつ病になりやすい人というのは、これを口にしたり、思ったりすることに対して、強い抵抗を感じる人が多いのです。

私がパニック障害をきっかけにうつ病も併発し始めたときに、この「まぁ、いっか」の話をカウンセラーの方から教えていただきました。そのとき、慣れないうちは意識しながら「まぁ、いっか」と大きな声で言うようにアドバイスを受けました。

実際に「まぁ、いっか」という言葉を口にしてみると自分自身が今までいかに「まぁ、いっか」という言葉を口にしていなかったかが分かるくらい、違和感を感じました。

けれど、不思議なもので「まぁ、いっか」という言葉を一日の中で何度も何度も大きな声で言うことで、「まぁ、いっか」という言葉が口癖になってきます。そして、自然と自分の中にも「まぁ、いっか」という気持ちが湧いてくるのです。

「まぁ、いっか」という気持ちで過ごすということは、決して適当や投げやりな状態になるのではなく、70%~80%くらいの気持ちで生活していくことです。いつでも全力で常に100%の力を出して生活している人は、これだけで生きていくのが数十倍も楽になっていくはずです。

自分に合った先生との出会い


私は過去に約2年間パニック障害を患っていました。
初めてパニック発作を経験したのは、高校2年生のころです。

「パニック障害」という言葉すら知らなかった私は、インターネットでこの言葉を何度も何度も検索し、多くの患者さんが5年以上、長い人だと十数年、パニック障害と共に生活している事実を知りました。
このとき、私もきっとこれから長い間、このパニック障害と付き合っていくんだなと覚悟しました。

精神疾患を患う人間にとって、何よりも大切なのは病院選びです。
病院を選ぶというより、医師という肩書を持ったいい人に出会えるか出会えないかなのです。
私自身、約2年という比較的短期間でパニック障害を完治することができたのは、自分に合った医師に出会うことができたからだと思っています。

この医師に出会うまでの約1年で10か所近くの病院を回りましたが、状態は悪くなる一方でした。しかし、この医師に出会ってからは今までの自分が嘘だったかのように良い方向へ向かっていったのです。

その医師がそれまでの医師たちと大きく異なっていたのは、私の話を丁寧に聞いてくれるということでした。診察時間はいつも1時間前後かけてくれるだけではなく、プライベートの携帯電話番号も教えてくれて、どんなに夜遅く電話しても、どんなに長く話しても、嫌な顔をせず、私が納得するまで話を聞いてくれるのです。それまで薬なしでは生活できなかった私が、薬の量を徐々に減らし、最終的に全く薬を飲まずに生活することに成功したのです。

うつ病が三大疾患のひとつとされるほど、現代の日本はストレスを抱える人たちで溢れています。どんなに最新でよく効くと言われる薬を飲み続けても、それは付け焼刃でしかありません。心の病を完治させる一番の特効薬は、人の温かさです。