統合失調症の誤解


統合失調症という病名を聞きなれない方も多いと思います、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。この病名がさまざまな誤解を産み、また症状がさまざまなことから今現在も誤解が偏見が残っています。

統合失調症という病気は「精神分裂病」と呼ばれたことで、理性が崩壊して通常の生活が送れなくなった人という誤解や、多重人格になるという誤解がされています。症状が重い時に、幻覚が見えたり、幻覚と話したりすることと、被害妄想から怒ったり泣いたりすること、そして病名からこのような誤解が生まれたのだと推測されます。

またほかにも誤解されているケースが多いのが「親の育て方が悪いと病気になる」や「遺伝する病気」ということです。メンタルヘルスに関連する病気ではよく言われることですが、こちらも全く医学的には照明されていないものです。

このようなことから10年ほど前に病名が変えられ「統語失調症」となりました。しかし、病気にたいするひとりひとりの理解が深まったわけではなく、誤解からなかなか精神科などを受診できない人もいます。

早期に発見し正しい治療をすればよくなる病気です。ひとりひとりが病気のことを理解して、早めに病院を受診することが重要です。

統合失調症


統合失調症とは現実と非現実の境界がぼやけてしまい、妄想や幻覚が特徴的な病気です。最近では「脳の病気」と認められ、どのような病気かも広がり始めていますが、まだまだ偏見や誤解が多いのが現状です。

症状としては大きく「陽性症状」と「陰性症状」に分かれます。「陽性症状」は幻覚や、妄想、志向の一貫性が低下し、話の内容にまとまりがかけてくるなどの症状です。特に「幻聴」が特徴です。幻聴と会話することで独語・空笑の症状がみられます。

「陰性症状」は感情の起伏が乏しくなったり、意欲の低下や興味の減退、社会的な引きこもりなどがあります。会話量が減少したり、複雑・抽象的な思考ができない、思考や行動がパターン化してしまうという症状もあります。陽性症状とくらべると慢性的におこる症状です。そのため周囲の人の理解がないとただ怠けているようにしか見えずに誤解されやすい面があります。

「陽性症状」は本人にとって非常にしんどいものですが、薬に反応しやすく、比較的治療でコントロールしていくことができます。しかし「陰性症状」は孤独な環境に陥りやすいなどの周りの環境も悪化の原因となっているので周りの理解やサポートが必要な症状です。悪化することで社会復帰を大きく妨げることもあります。