レキソタンとセニランについての所感


レキソタンとセニランについて今回は記しておこうと思う。

レキソタンのジェネリックがセニランなので、ほぼ2つは同じというか、まあ、出す側にとってはほぼ同じものなのであるけれど――抗不安剤、その名も高き「【最強の】抗不安剤」と呼ばれることもたまにあるとかないとか。
なるほど、データベースによれば作用は一番強く、そしてそこそこ我慢が出来て、不安がすぎさるよう耐えられる間は効いてくれるようである。かくいうわたしも、現在進行形でこの薬の世話になっている。

剤型は5ミリだと、レキソタンが薄いオレンジ色、セニランは白。レキソタンを長いこと服薬していたわたしは、通っているクリニックの都合でジェネリックのセニランに変わった事がなんとなく寂しかったのを覚えている。

多かれ少なかれ、「ジェネリックって効かないんじゃないの?」という疑問はみんな持つことと思うし、わたしもそうだ。(なぜ、セニランに変わってがっかりしたのかというと、レキソタンのオレンジ色がいかにも効きそうで気に入っていたのと、レキソタンの2ミリが白色で、なんとなく成分量が少ない様な気がしたから。)――人は見た目が何割とか、そんなノリで「薬も見た目が8割」だと考える。

見た目から「効くかもしれない」と思わせ、飲ませて、ほんの少し暗示をかけていてくれれば、効果も出るのではないかと思う。

さて、脱線したが服薬感想。
服薬後、たいていの安定剤と呼ばれる物は、眠くなったりする。レキソタンは、基本的に眠くならないようにできているようである。(レキソタンを飲んで昏倒した話はあまり聞かない)一説によると眠気が少ないので、ビジネスマンの患者等が愛用するのだとか。
私の場合は気持ち次第というか、眠気が出てはいけない場面でつらくなる場合があったときには、1錠放り込むようにしている。すると、胸の奥の不安の泥か、靄の様な形のない「存在感」が、しっかりと胸の中におさまり、なりをひそめていくのがわかる。
わたしは鬱がひどく、薬も合わず、PMDDも持っていた際には家で暴れ回ったあと、レキソタンを与えられて鎮静させられていた。眠くなるというか、「落ち着く」と言った感じで、抗鬱剤でとれないこびりつきを一時的に気にしなくしてくれるので、もし眠気で困っている不安な方がいらしたら、お薦めといえなくもない。(※個人の感想。)

セニランも暫く飲んで居るが、慣れてくれば効果は同じ。鎮静作用があるので、躁でどうしようもなく、息切れするぐらいテンションがあがってしまい、肩やあたまがパンパンになってきたら、わたしは一錠放り込むようにしている。不安に苛まれている人間にとっては、レキソタンやセニランで得られる「安心感」は、心のいっぷく、ということばがまさにふさわしい薬だと思う。

リタリンとベタナミンの服用所感

リタリンというお薬は、うつ患者のあいだではそれなりに有名な薬である。合法覚醒剤などと物騒な呼び名で呼ばれる事も多いが、かつてはどうしても底上げの出来ない、どん詰まりのうつに処方されていた薬である。精神賦活剤という、れっきとしたお薬なのであるが、これが効果がほんとうに覚醒剤のようであり、依存性があり、常習性もでてきた。リタリンを安易に、必要の無い患者に処方し金儲けをたくらんだとある医者等の事件があり、リタリンはうつの適応から外れた。

かつてわたしはリタリンを一日6つ飲んで居て、それでやっと動ける程度にはひどかったし、当時の薬の飲み合わせもあったのか、とにかく眠くて何も出来ない、自己嫌悪な日々が続いた。リタリンを飲むとどうなるのかというと、まずやる気が出る。うつが人工的に躁状態になるような、興奮してやる気が出る。あんなにどうやってもでなかった力が出て動ける様になる。

ただし、口が渇く。あと、舌が勝手に動く。朝起きられない。飲んで居ないと眠くて耐えられない。それに、水分を多量に摂取していたし、肌はものすごく荒れた。ブツブツができたし、たくさんのんでいたころは食欲もなかった(というより、食べ物に対する欲がなく、他のことをどんどんやりたい、という感じ)なので、この薬無しで起きられなくなるまで、目的と手段が逆転した様になるまで、そう時間はかからなかったのである。一日6つは、たしかに処方しすぎだ。でも元気ではあったけれど、どんどん痩せた覚えがある。

ちょうどそんなときに、リタリンが例の件でうつから適応外になるので、ベタナミンに変えよう、という主治医からの提案。お先真っ暗、という気分になった。なにしろベタナミンは効果がマイルドで、ちっともあの賦活剤、というような感じがしなかった。20ミリ玉をのんでいたのにもかかわらず。しだいに効かないように思う様になり、ベタナミンからも離れて数年経った。

わたしは相変わらず鬱で、しかしながらお金がなかったので外にハタラキにでることになった。そこで、やはり問題なのが眠気だった。デスクワークに眠気など、首になってしまう。

仕事始めのなじめなさからくるうつで落ち込み、それも合わせてなんとかしてくれと主治医に訴えたところ、先日数年ぶりにベタナミンが出た。一日10ミリを3つ。

ベタナミンについては、血中半減期がリタリンよりずっと長い。そして、反動の睡魔がくる(服用後10~30分後くらい)。これを抜ければ、興奮とまでは行かないがマイルドにうつをとることができる。

しかしながらベタナミンにおいてもやはり依存はあるし、口の渇きも若干はある。食欲は少しだけ減る。顔は荒れない。劇的に目の前が変わるリタリンとはちがうけれど、やはりタイミングで医者にかかれず、在庫がないときなどは、起きにくかったり、少し不安をおぼえたりする。

精神賦活剤は、けっして善の薬ではないとは思うけど、必要な人はいる。現にわたしはこれらの薬なしでは、いままでやってこれなかった、人生に大切な局面が、たくさんあった。

ショック療法というのもあるし、動かしてみて初めて動くこともある。どうしても辛くて、1週間も2週間も待てない、死にそう。そんなとき。ここぞにちょっと、魔法を使う――それくらいの立ち位置でなければならないのではないだろうか。

 

リフレックス服用感想

私は躁鬱Ⅱ型だが、季節型の鬱傾向もある。そういうわけで、ここ最近冷え込んできてからは、眠れない……というより、寝たくない日々。何かやれることがあるんではないのか?何か1秒でも無駄にしてはいないか?などと、ビタミン剤なんかを薬局で買ってきて飲んだりもしている。あとでがっくりくるわ、人の多いところで異常な眠気を感じ、会社に出勤退勤中は眠くて眠くてしょうがない。帰ったら一刻も早く薬をのんで寝たい。

……と思っているのに、夜は中々眠る気になれず、朝は寒さで気持ちまで固くなり……という悪循環。

そんなわけで総合的に見てうつがひどくなったからなのか、単純に眠気が強く出るタイプの薬だからなのか、眠剤といっしょにこれが出された。「リフレックス(レメロン)」。

なんでも一日一回、それも寝る前におすすめだそうな。

わたしは今いろいろ心に案件がたまっっていて、それが引っかかってなかなか「寝る」という行動に移れない。

しかし、これと眠剤を放り込んで、フトンの中でまるまってしまえば、一瞬で朝がきて、朝のうつがないように感じる――抗鬱剤なんだからそうなってもらわないと困るのだけれど、1日1回でいいうえに寝てる間に何とかなるなんて便利だな、と小学生並みの感想しか出てこないけれど、やっぱりそこは抗鬱剤、飲み続けないと意味がないという。というわけで今日はなかなか寝れないけれど、リフレックスだけのんでみた。

……眠い様な、眠くない様な。まだ決定打に欠ける。でもきつい副作用は今の所ないので(本当に眠気くらい)いまのところ私のマストはサインバルタとこれだ。苦くもないし。

 

ちなみに剤形の話をすこしするなら、わたしはリフレックスはそこそこ好きだ。

楕円というのが新しい(?)気がしないでもない、と思う。

エスタゾラム(ユーロジン)服用感想 平日編


前回休日編を書いたが、今回は仕事のある平日前夜に服用した時のことを少しだけ追記として書くことにする。

結論から言って、「眠いのになかなか眠れなかった」という。これは個人的に、金銭面で切羽詰まってくるとやたら無理なスケジュールで仕事を組んだりする己のせいでもあるのだが、とにかく、会社に行くというそのことで緊張してしまい、「寝ても良いのだろうか、いや……」という無限ループに陥って、服用後3時間半は体がフトンにむかっていかなかった。

毎朝、7時過ぎに起きるのだが、それでもやはり飲んでいないと不安にもなる。そのため服用は早めにして、自然な眠気がくるのを待つことにしている。そんな自然な眠気とやらが来たのが、結局服用から3時間ほどたったろだった。結果、ここちのよい電車内等では行き帰り爆睡して携帯を床に落としたりいろいろとはずかしかった。

話を戻そう。1mgで業務に差し障りがあるかといわれれば、NOとしか言いようがない。睡眠の質じたいは上がっている様なので、元気にもなれる。睡眠は、やはり大事だと痛感する。

 

でも、やはり顔つきはぼんやりするし、どこか眠そうなのには間違いがない。ふらつきは慣れたが。睡眠自体の質が上がっているのか、ふしぎと起きにくいこともなかったし、どちらかといえば私の場合躁転してしまって、ちょっと大変な感じなスケジュールを組んだぐらいには、すっきりする。半減期は24Hだというので、丸一日は効いていなくても、日本製でもうちょっと使い勝手のよいものがほしい。

 

エスタゾラム(ユーロジン)服用感想 休日編


私個人の感想なので、全ての人にあてはまるわけではないことを承知いただいたうえで、服用感想を書こうと思う。

出された原因は冬季鬱だ。わたしは冬になるとそれまでよりとても鬱相が強く出てしまう。そういうわけで鬱気分もふくめ、増長させるがごとく早朝覚醒も出ていた。毎日4時間しか眠れていないのに、決まった時間に目が覚めてしまい、眠ることも起きることもできないけだるい情けない時間をすごすのはうんざりだったので、「朝まで眠りたい」というささやかな願いを主治医に伝えてみた。すると、中期型のお薬を出しておきますね、と言われた。

私は市販のドリエルにはじまり、入門の様にリスミーからエリミン、アモバン等も服用したが、今回も同じ様なものが来るのだろうと思っていた。でも、違った。「エスタゾラム アメル1mg」。これは聞いたことがない。そこで、インターネットでしらべてみたり、同じように苦労している友人にきいてみたら、なんと手術の麻酔前に飲む薬だとか、起きられなくなるので有名だとか、いろいろマイナス情報ばかり。

そんなわけでもらってから2日間は、会社のしごともあったので、鬱気と闘いコーヒーをがぶのみして、会社に向かった。のみすぎて躁転してしまいハイになり、逆に「寝るのがもったいない」とさえ思う様になってきて、実際この週末は徹夜をした。なにもしていないが、寝るのだけはいやだったのだ。そして昨晩、ついに服用をはじめた。

のんで3分くらいで、あのかたくなだった「寝るなんて勿体ない」という気持ちがしぼんでいくのがわかった。気分がおちるのではなくて、「まあ、寝ようか。明日もあるし」である。そしてそのまま眠ったわけだが、スーッと眠れ、起きるときややふらついてフトンに突っ伏したけれど、それ以降はまったく?体力の低下を感じることなく、素直に眠ることが出来た。これは、躁で眠れない、でも寝なくてはいけない、でも・・・という人にはよいのではないだろうか。

しかしながら悪いところもある。ふらつきと、眠気がやはり、夕方の今になっても取れない。目がはれぼったいような……。これを平日でやられると、たしかに精密機械なんてものは触れない。そして多分、慣れて眠れなくなる予感がしないほど、きれいに眠ってしまったので、慣れることも(今の所は)なさそう。なので一日、家で雑多な掃除等をしてすごした。でもなんども突っ伏しそうになった。このまま目をとじれたらムチャクチャ楽なのに、なんて重いながら、キーをたたいている。

病的に眠りから逃げている人にお勧め。

鬱がよくなる過程で、一番気をつけなければならないこと


うつは病気ですから、治らないことはない、という前提で、体験談を書きます。

私は7年前にストレスでうつを発症し、もちろん症状としてはそれだけではありませんから、いろいろと大変回りに世話をかけました。
抜け出す道がどうしても見つからぬように思えてしまい、金銭的にも苦しく、どん詰まりになっていたとき、あるときふと、その瞬間がくるわけです。

ひとによって全く違いますし、程度にもよりますが、脳内の意識感がぱちん、ときりかわったようになったのを覚えています。別に、宗教でも魔法でも、怪しい操作でもないんです。
自分が、自分で、自分のスイッチを入れ直すときが必ずくるのです。

そうするとまず、いわゆる「躁状態」というように、いままでが暗かった分、まるで正気を取り戻したかの様に、「動ける」ようになります。
普通に思えば、よくなって行動できる様になってきているのだから、よいと思うでしょう。

しかし、うつは治りかけが一番怖いのです。
死にたいと言って寝ているときは、もう「死ぬ行動を起こす気力もない」のはご存じのとおりでしょう。動ける様になったときにこそ、きちんと薬を飲んで、徹夜や無理なスケジュールもなるべくひかえるようにしましょう。

そうして、上に持って行く状態にからだが慣れてきたら、それはもう、寛解が目の前です。
決してあせらないように、というのはなにも、守られたり、労られているわけではありません。
根拠があるから、言われているのです。

上記の様に、あせってあせって、やっと動ける様になったときになにかやってしまうのがいちばんこわいことなのです。なので、「休む」ことを「心がける」こと。薬は、きちんとのむこと。

まじめだから、疲れてしまったひとならば、この約束も真面目に思い込んでしまうのかも知れません。でも、ほんとうはちょっとくらい不真面目になるのが、疲れた心を解放する特効薬といえます。
動けないときは動かなくて良いときなんです。からだがそううったえているのだから。

ただ、今後の社会復帰を考えると、「動ける様になったとき」が、一番の山場なのだということを、忘れないで下さいね。